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今月のコラム
7月の味わい 岡本 小夜子
小枝 繁昭 画

 っきまでの夕立が、すっかりあがって、京の町は、生々と街路樹の緑に輝いています。
 雨宿りに入った甘味処で、心太(ところてん)に、葛餅に冷たい麦茶をいただきます。床の間には、鷺草(さぎそう)が生けてあります。

 盆地である京の夏は、むし暑く、町の人は皆、知恵をしぼって涼をとります。門口に打ち水をしたり、夏座敷に風鈴をつるし、(とう)むしろを敷いて、すだれをかけます。

 七月は、祇園祭です。七月一日から行事は始まり、十七日の山鉾巡行はクライマックス です。
 その前に、鉾たての様子を見たり、宵山の夜店に遊ぶのも、風情のあるものです。
 夜店の灯にさそわれて、ラムネやひやしあめ、わた菓子を楽しみながら、そぞろあるく京の町。もちろん浴衣を着て…。

 七月の味わいはというと、もちろん、鱧です。梅肉などであっさりといただきます。鯉の皮をきゅうりと和えて酢のものにしてもいいでしょう。
 それに合わせて、冷奴。薬味に、みょうがやしょうがを添えると。涼しさが増します。

 ごはんをたく時に、一緒に新藷(しんいも)を入れてふかして、ごはんつぶのついたままのふかしいもをいただいた、幼い日のことを思い出します。
 冷水に浸しただけのトマトの皮をむいて、さくさく切り分けていただくのも美味です。きざんだ玉ねぎと酢とサラダ油のドレッシングで…。
 縁側で夕涼みをして、線香花火に見入った日が、幻灯の影絵のように思い出されます。


岡本 小夜子
日本ペンクラブ会員、日本文藝家協会会員
『京の町あるき』(けやき書房)、『阿部晴明、紫式部を歩く』(講談社)など出版
その他、新聞雑誌等に掲載

小枝 繁昭
1953年 京都市に生まれる
1974年 京都精華短期大学 絵画専攻科修了
1992年 文化庁芸術家在外研修員ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ(英国)
1993年 客員研究員 オックスフォード大学ラスキンスクール オブ ドローイング アンド 
       ファインアート・ウォルフソンカレッジ/オックスフォード近代美術館(英国)

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